技術職の公務員の年収は?仕事内容や試験内容・難易度を紹介
2023.06.22
公務員の技術職は、技術系公務員・理系公務員と呼ばれ、特定の分野に特化した業務に従事する公務員です。公務員の技術職は国家公務員・地方公務員共に採用枠がありますが、どちらも国や地域のために政策立案や実施を担当することは同じです。
一言で公務員の技術職を目指したいといっても、その分野は多岐に渡ります。この記事では、技術職公務員の年収や仕事内容、試験内容などを詳しく解説します。
技術職公務員としての採用を目指している方は、ぜひ最後までお付き合いください。
技術職の公務員の年収
技術系公務員の年収は、国家公務員(総合職・一般職)と地方公務員によって異なります。技術系公務員の年収は高い順から、国家公務員(総合職)・国家公務員(一般職)・地方公務員となっています。
国家公務員の技術職
国家公務員の技術職では、総合職・一般職によって年収が異なります。総合職・一般職ともに、幅広い省庁や分野で採用枠が設けられており、採用を目指す分野によっても年収は異なってくるでしょう。
総合職はいわゆる官僚に分類され、中でも技術職は「技官」と呼ばれています。令和2年国家公務員の平均俸給額及び平均給与月額を参考に、技術系国家公務員の平均月給を見ていきましょう。
- 専門行政職俸給表(航空管制官、特許庁の審査官等):446,847円
- 行政職俸給表【一】 (一般行政職員等 ):408,868円
- 行政職俸給表【二】 (技能・労務職員):328,862円
- 公安職俸給表【一】 (皇宮護衛官、刑務官等):378,311円
- 公安職俸給表【二】 (海上保安官等):410,316円
(参照:国家公務員給与の実態)
省庁や役職によっても異なりますが、一般的に月給30〜40万円程度であることが分かります。具体的な年収が明記されている資料はありませんが、技術系公務員総合職でおおよそ600〜700万円程度となるでしょう。また、総合職の中でもキャリア技官僚に属する場合は、年収がさらに高くなります。
一般職においては、行政職俸給表【一】 (一般行政職員等 )に属することが多いと考えられるため、年収は400〜600万円前後となると予測されます。
地方公務員の技術職
地方公務員の技術職である場合は、地方自治体や所属・分野によって年収が異なります。基本的に地方公務員の技術職は上級(大卒程度試験)で採用枠が設けられていることがほとんどです。
参考までに令和3年度の各地方自治体での地方公務員一般技術職の月収(初任給)を見ていきましょう。
- 京都市 一般技術職(上級):211,090〜222,420円
- 東京都特別区 I類:約220,400円
- 愛知県名古屋市 1類(事務・技術):(大学院卒)221,260円/(大学卒)211,025円
- 2類(事務・技術):171,120円
各地方自治体によって給与は大きく異なるため、年収にも幅が生じることが予測されます。受験予定の地方自治体HPで募集要項を確認しておくといいでしょう。
技術職の公務員の種類
公務員では一般的に文系は行政職、理系は技術職の採用に挑戦することができます。技術職公務員は理系公務員と呼ばれ、大学の専攻内容を活かすことが可能です。
技術職の公務員はさまざまな種類に分けられますが、基本的には土木職/建築職/機械職/電気・電子・情報職/化学職・環境職・衛生職/その他に分けることができます。
- 土木職
- 土木職は日本各地のインフラ整備を実施する職種です。ダムや河川・上下水道などさまざまな環境を整備することで、より良い街づくりに徹底しています。国家公務員の場合は国単位のインフラ整備を担当し、地方公務員の場合はもう少しエリアを狭めた地方自治体内のインフラ整備を行います。
- 建築職
- 建築職の主な業務は、国や地方自治体が管理運営する建物の建築や、空港・ダム・下水処理場などの施設建設です。新たに建築するだけでなく、増築や修繕なども担当し、災害対策などの工事も担当します。
- 機械職
- 機械職の主な業務は、省庁や各種機関の整備や公共交通機関などに設置されている機械の管理・メンテナンスです。数多く設置されているエスカレーターやエレベーターなどの機械や各種機関の空調設備・衛生設備の企画や設置・メンテナンスを行う職業となっています。
- 電気・電子・情報職
- 国や地方自治体で管理している電気を必要とする全てのものに携わる電気・電子・情報職は、官庁や各種機関の電気設備の管理・点検・整備などを行います。情報通信網の整備やネットワークの構築なども国家公務員技術職が行なっており、専門的知識が必要な職業です。
- 化学職・環境職・衛生職
- 化学職・環境職・衛生職の主な業務は、水・空気・食料など国民の健康に関わるものに対し、管理・保全・点検を行うことです。国民に害がない国や地域を作るために、衛生管理や安全管理の最前線に立って、国民の健康を守ります。
- その他
- そのほかには、薬学職や農林水産業に関連する職業、獣医職などさらに専門的な職業があります。
技術職の公務員になるには?
技術職公務員になるためには、国家公務員・地方公務員それぞれの公務員試験に合格し、その後採用試験に合格する必要があります。
国家公務員の場合は国家公務員(総合・一般職)試験、地方公務員の場合は地方公務員(地方上級)試験への合格が必要です。例年国家公務員・地方公務員ともに倍率が非常に高いことや、技術職の場合試験難易度が高くなるため、計画的な学習が必要となります。地方公務員の場合、各地方自治体によって採用人数も異なってくるため、事前に確認しておくといいでしょう。
まとめ
技術職の公務員は、さまざまな職種があります。技術職として、国や国民を守る業務に従事するため、責任感ややりがいを感じることのできる職業です。採用の難易度は高いですが、技術職公務員に就くことで生活の安定も期待できます。
受験を検討している方は、計画的に学習を進めましょう。
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