公務員試験「人文科学」の難易度・勉強法
公開日:2024.01.30 最終更新日:2024.01.30
「人文科学」は公務員の教養択一試験で必ず出題される分野で、「自然科学」や「社会科学」と併せた一般知識分野として出題されます。しかし、人文科学は一般知能分野である「数的処理」や「文章理解」と比べると出題数が少ないため、対策にかける時間や勉強法で悩む受験者の方が多い分野となっています。この記事では、「人文科学」の特徴や出題範囲、出題形式、難易度からその対策や勉強法について詳しく解説しますので、ぜひ参考にしてみてください。
1.「人文科学」の科目の特徴は?
「人文科学」の出題範囲はとても広く、主に以下の5科目全てを網羅する必要があります。
- 世界史
- 日本史
- 地理
- 思想
- 文学・芸術
また、「人文科学」は試験種別によって出題数が異なってきます。過去の試験から「人文科学」の出題数と教養択一試験の合計出題数を調べてみると以下のような傾向が表れています。
国家公務員(一般職) | 全40問中4問 |
---|---|
東京都I類 | 全40問中4問 |
特別区I類 | 全48問中4問 |
地方上級 | 全50問中6~9問 |
国家公務員(一般職)や東京都Ⅰ類、特別区Ⅰ類では「世界史」「日本史」「地理」からそれぞれ1問ずつ出題され、「思想」もしくは「文学・芸術」から残る1問が出題されています。
一方、地方上級では「世界史」「日本史」から2~3問ずつ、「地理」が2問、「文学・芸術」から1問程度の出題です。
これらの特徴から、「人文科学」は教養択一試験の1~2割の出題を占める分野で、出題範囲となる5科目から満遍なく出題される分野ということができます。教養択一試験の1~2割のウエイトを占めるため、適切な対策を行わないのは相当なリスクとなります。しかし範囲が非常に広いため、全てを完璧に対策するのは難しい分野となっています。
そのため、「人文科学」は勉強量の割に得点できる割合が低い分野、いわゆるコストパフォーマンスが悪い試験分野になることから、多くの受験生がその対策や勉強法に悩んでいます。
2.出題範囲と形式
「人文科学」の各科目における出題範囲は以下の通りです。
科目 | 出題範囲 |
---|---|
世界史 | 高校の世界史B |
日本史 | 高校の日本史B |
地理 | 高校の地理B |
思想 | 東洋思想や西洋思想など |
文学・芸術 | 日本文学や西洋文学、美術、音楽などの各分野 |
世界史と日本史、地理はそれぞれ高校で学習する世界史Bと日本史B、地理Bが出題範囲となっており、思想や文学・芸術では東洋思想や西洋思想、文学、美術、音楽などの幅広い分野が出題範囲となっています。
世界史では古代、中世、近代、現代などの幅広い時代が試験の範囲となりますが、公務員試験全体としての出題は近代や現代などに偏っている傾向があり、アジア史などの出題も見られます。
また、日本史でも同様に近代史や現代史からの出題が目立ち、産業や教育などの特定分野における日本の歴史について問われるテーマ史なども頻出です。このように、「人文科学」は全体の試験範囲が限りなく広い分野ですが、試験種別によってある程度の出題傾向が明らかになっています。
「人文科学」では主に「~に関する記述として最も妥当なのはどれか?」という正誤問題の形式で出題され、地理では「空欄に該当する組合せとして妥当なのはどれか?」などの組合せを選択する問題形式で出題されます。基本的には「人文科学」の各科目の知識を問う正誤問題形式での出題がメインとなっており、典型的な暗記科目としての対策が求められます。
3.「人文科学」の難易度と対策・勉強法
「人文科学」の難易度は試験種別によっても異なりますが、基本的には大学入試のセンター試験と同じ、もしくは少し高いくらいのレベルとなります。主に高校で学習する世界史Bや日本史B、地理Bなどが試験範囲となっていることから、高校でこれらの科目を学習している受験者にとっては有利な科目になります。
そのため、これらの科目を高校で履修していた受験者と、初めて学習する受験者では勉強法も異なるので注意が必要です。まず、高校で履修した科目がある場合は、その科目のテキストに一通り目を通して記憶を呼び起こす必要があるでしょう。その後は、過去問や問題集などで問題形式に慣れながら頻出分野や苦手分野を復習していくという形で対応可能です。
一方、学習経験のない場合、最初から全ての内容を網羅する学習方法だと膨大な時間がかかるため、試験種別ごとの出題傾向などを把握した上でポイントを絞った対策が重要となります。公務員試験においては出題数の多い「数的処理」や「文章理解」に重点をおいて対策することが合格に近づくポイントです。そのため、出題数が少ない「人文科学」などはなるべく効率よく短時間で対策することが求められます。
また、思想や文学・芸術については、高校で学習する世界史や日本史、地理とは勝手が違うため独自の対策が必要です。ただし、ほとんどの公務員試験では思想や文学・芸術からの出題が1問もしくは出題されないこともあるため、これらの科目については時間に余裕がある場合のみ対策を行うというスタンスでも良いでしょう。
4.「人文科学」対策をするなら対策講座受講がおすすめ!
「人文科学」の対策を効率的にする場合は、資格スクールなどの対策講座受講がおすすめです。資格スクールなどの対策講座では、広い範囲の中から試験種別ごとの出題傾向を徹底的に研究し、重点的に学習すべきポイントが選別されているため、ポイントを押さえた効率的な学習が可能になります。特に、あまり時間をかけることのできない「人文科学」の対策においては、使用するテキストや問題集の良し悪しが結果に直結することがあります。様々なテキストや問題集などに手を広げてみるのも良いですが、時間効率が悪くなります。そのため対策に必要な知識や問題演習がピンポイントで網羅されている対策講座の教材は、勉強時間の限られた受験生は特に重宝するでしょう。
また、「人文科学」は出題範囲が広いうえに出題数も少ないため、「数的処理」や「文章理解」のように対策することで総得点が飛躍的にアップする科目ではありません。そのため、対策を進めてもなかなか成果を実感できずにモチベーションの維持が難しくなることもあります。
しかし、資格スクールなどの対策講座では様々なサポート体制が整っているため、モチベーションの低下を防ぐことも可能です。専任のチューターが勉強法などの相談に乗ってくれるため、各受験生に合った対策時間の目安などが把握でき、モチベーションの維持にも役立ちます。
5.まとめ
いかがでしたでしょうか。公務員試験の「人文科学」の難易度や対策、勉強法について解説しました。「人文科学」は5科目の幅広い範囲から出題されますが、教養択一試験に占める出題割合は1~2割前後と少ないため、効率的な対策が欠かせません。そのためには、試験種別ごとの出題傾向を正確に把握し、ピンポイントで対策することが大切です。資格スクールの対策講座受講などに興味がわいた方は、ご自身に合った最適な勉強法で公務員試験の突破を目指してください。
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