公務員試験「社会科学」の難易度・勉強法

公開日:2024.01.30 最終更新日:2024.01.30

公務員試験「社会科学」の難易度・勉強法|資格スクール 大栄
公務員

社会科学は公務員試験の教養択一試験で知識分野の一つとして出題されます。知識分野の中では出題数が多い傾向にあり、教養択一試験を確実に突破するためには効率的な対策が必要です。この記事では社会科学について、科目の特徴やその出題範囲と形式、難易度と対策や勉強法、対策講座受講の必要性などについて詳しく解説していきます。

1.「社会科学」の特徴:出題範囲

「社会科学」は教養択一試験で出題される知識分野の問題です。教養択一試験では知能分野の「数的処理」と「文章理解」が出題数の多くを占めていますが、「社会科学」はそれらに次ぐ問題数が出題されることも多く、対策を怠ることができない分野となっています。

「社会科学」は「法律」「政治」「経済」「社会」の4科目から構成されており、それぞれの科目からの出題範囲は以下の通りです。

1-1.法律

法律科目の中からは主に以下の法律等について出題されます。

  • 日本国憲法
  • 民法や刑法などの基礎法学

これらの中でも日本国憲法からの出題が最も多く、特に「憲法の総論」「基本的人権」「政治システム」などの統治機構に関する出題が目立っています。
一方、民法や刑法などの基礎法学はあまり出題されない傾向にありますが、大幅に改正された民法が2020年4月に施行されたり、2022年には刑法の改正が行われたりしている為、時事問題と絡めた問題として今後出題が増える可能性もあり注意が必要です。
法律概論では検察審査会や裁判員制度などの時事に絡めた問題が出題されています。

1-2.政治

政治の科目からは主に以下の内容が出題されます。

  • 政治制度
  • 選挙制度
  • 国際政治

政治制度では議院内閣制や大統領制などの各国の政治制度を問われる出題が目立ちます。
選挙制度ではおもに日本の選挙や投票制度などの基本項目や原則について問われています。
国際政治からは国際連合(国連)の概要や組織および主要な国際条約に関する問題の出題が多くなります。また、これらは時事問題とも密接な関係があるため、政治の科目からは時事問題に関する出題も多く見受けられます。

1-3.経済

経済科目からの出題は以下の通りです。

  • ミクロ経済学
  • マクロ経済学
  • 財政学
  • 経済事情

ミクロ経済学では、需要曲線と供給曲線や市場と経済などの基本的な問題が出題され、マクロ経済学も経済政策や金融政策などの基本的な事項が問われます。
財政学ではおもに財政機能や租税制度に関する問題が出題され、経済事情では経済史や世界の貿易体制などの問題が出題されます。これらの問題も政治と同様に時事問題と絡ませて出題されます。

1-4.社会

社会の科目からは以下のような問題が出題されています。

  • 社会学や心理学
  • 社会事情

社会学や心理学では東洋思想や西洋思想などの問題や心理学の問題などが出題されています。
社会事情では労働問題や社会保障、環境問題などを中心に幅広い範囲の問題が出題されており、制度改変などと併せて出題されることもあります。

2.「社会科学」の科目の特徴:出題形式

「社会科学」は4科目とも対象となる範囲が広く、様々な問題が出題されているのが大きな特徴です。出題形式については、教養択一試験では全ての問題が5肢択一式で出題されマークシートで解答します。出題形式は大きく分けて以下の3パターンがあります。

知識問題

「次の記述のうち、妥当なものはどれか?」「次の空欄に当てはまる語句の組み合わせとして正しいものはどれか?」などの知識を問われる出題形式です。時事に関する問題もこの形式で多く出題されます。

計算問題

「~の値はいくらか?」「~として正しいものはどれか?」などの計算によって解答を導き出す出題形式です。特に経済の科目で出題される形式となります。

図表問題

「次の表に関する記述のうち、正しいものはどれか?」などの図表から正しい情報を読み取る能力が求められる出題形式です。この形式は経済や社会などの科目で出題される傾向にあります。

3.「社会科学」の難易度と対策・勉強法

「社会科学」は「法律」「政治」「経済」「社会」の4科目から幅広い出題が行われますが、出題範囲が広いからといって、難易度が易しいわけではありません。政治や経済などの科目は大学入試センター試験の政治経済と同程度とも言われることがあります。

なお、国家公務員や地方上級試験、市役所のような受験する試験種別によっても難易度は変わるため、全ての職種の難易度を一言で表すのは難しいですが、おおむねセンター試験と同程度だとイメージしておくと良いでしょう。

また経済の科目では、一部で専門試験に出題されるような高難度の問題も出題されることがありますが、そのような出題はあまり多くありません。数的処理などの知能分野と異なり、知識分野の「社会科学」は暗記と理解によってある程度対応できる分野となっており、きちんと対策をすれば教養択一試験の合格ラインである6割の正答は十分狙えます。

対策方法については、専門試験で法律系や経済系、政治系などの試験を「受験する場合」と「受験しない場合」の2パターンに分けてご紹介します。

3-1.専門試験で「社会科学」と重複する科目を受験する

専門試験で「社会科学」と重複する科目を受験する方は、優先して専門試験対策の学習を行うと良いでしょう。重複している科目については、専門試験の方がより深い知識を必要とされるため、その知識があれば「社会科学」の問題にも対応できます。

ただし、重複していない科目については対策が必要です。専門試験と重複している科目よりも比重は少なくていいですが、出題形式などに慣れるために問題演習を反復する必要があります。

3-2.専門試験で「社会科学」と重複する科目を受験しない、または択一教養試験のみ

「社会科学」の対策では、全ての科目において幅広く理解し、暗記することも必要です。まずは参考書などで知識をインプットし、問題集などの問題演習で出題形式に慣れながらアウトプットします。問題演習だけでインプットを兼ねる方もいますが、その場合は問題演習から漏れている項目の対策が不十分になってしまう可能性があります。多少時間はかかったとしても、出題範囲をある程度網羅的にカバーできるように対策するのが望ましいでしょう。

「社会科学」は「数的処理」や「文章理解」の知能分野に次いで出題数が多くなります。まずは、出題数の多い知能分野の対策を優先しますが、「社会科学」も大きな得点源となるため対策を怠らないようにしましょう。

4.「社会科学」対策をするなら対策講座受講がおすすめ!

「社会科学」は出題範囲が膨大で、試験では浅く広い知識が必要となります。独学では全ての範囲を網羅するために時間がかかり、効率的に学習することが難しい場合もあります。そこで効率的に「社会科学」の対策をしたいと考えるなら、資格スクールなどの対策講座を活用するのがおすすめです。

対策講座では、受験する試験ごとの出題傾向などを徹底的に分析しているため、出題範囲を網羅しながらも、出題頻度の高い項目を重点的におさえることで効率的な学習が可能になります。「社会科学」では時事問題も多く出題されていますが、対策講座では特に話題性の高い時事問題を中心とした時事問題対策もできるため、ニュースや新聞、インターネットなどで時事問題に関する情報収集をする時間を短縮できます。さらに、精選された問題集などで出題形式にも慣れることができ、正誤問題や図表の問題では解法のテクニックも教わることができるのは、対策講座を活用する大きなメリットといえます。

5.まとめ

教養択一試験の「社会科学」は対策をすることで合格ラインの得点を目指せる分野です。一部の地方公務員の試験などでは教養択一試験の2割を超える問題数が出題されるため、対策を怠れば公務員試験の合格が遠のく可能性もあります。

まずは、受験する職種の「社会科学」分野の出題傾向を把握して、必要に応じて資格スクールなどの対策講座も活用しながら効率的に対策を行うことで、教養択一試験の突破を目指しましょう。

なお、リンクアカデミーが運営する資格スクール大栄では、目指す公務員の職種に合わせたコースを選択できる公務員試験対策講座が用意されています。
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