公務員ってどんな職業なの?
公務員の仕事って?
公務員というのは皆さんが何気なく暮らす中で、あらゆる面から生活を支えている職種です。
警察や消防など分かりやすい業務がある一方で、県庁・市役所などでは具体的にどのような業務をやっているかイメージがつかないことも多いですよね。
この記事では公務員の職種や業務内容、待遇や働き方から試験内容とその対策までをご紹介していきます。
多種多様な公務員の職種や業務、その魅力ややりがいについて把握してもらい、今後の進路や就職活動に役立ててくださいね。
記事の後半では実際の試験内容や対策方法に関して、資格スクール大栄としてのノウハウをご紹介します。
国家公務員や地方行政職、警察官に消防官など自分が気になる職種や内容について知り、疑問を解消してもらえればと思います。
より詳しい内容や自分の学習プランなどの相談に関しては、無料個別相談会も実施していますのでお気軽にお問い合わせください。
職種別まとめ
国家公務員一般職
国家公務員一般職は、中央政府の各省庁や官庁で働く国家公務員の職種の一つです。
国家公務員一般職の仕事は非常に多岐にわたり、国の政策、行政、法律などに関連した様々な業務を担当します。
代表的な業務は以下の7つです。
- 1. 政策立案と実施
- 政府の政策立案、実施、監督に関与します。法律や規制に基づき、社会課題に対処し、国の発展や改善を推進します。官僚と呼ばれる国家公務員総合職員が主導となり政策立案を行い、国家公務員一般職はその補佐を行います。
- 2. 行政業務
- 許認可の発行、予算編成、調査研究、統計収集、行政手続きの管理、文書管理など、多岐にわたる業務が含まれます。採用された地方ブロックにある各省庁の支部局に配属されて業務にあたります。
- 3. 法律や規制の執行
- 国の法律や規制を遵守し、それらの執行を担当します。違反の取り締まり、法的相談、法的支援などが含まれます。よく「秘密警察」などが「国家公安委員」をイメージさせるものとして漫画やアニメ(最近だと『SPY×FAMILY』が有名ですね…!)で取り上げられることなどがありますが、実態としては警察庁などを所管する上部組織の位置づけです。
- 4. 国際関係
- 国際機関や他国との連絡、協力、交渉に関与し、国際関係の促進と維持に貢献します。外務省が主導となり動くことが多いですが、入国審査官は法務省所管だったり、各省庁に採用された後に領事館などで勤務する場合など多岐にわたります。
- 5. 財政管理
- 予算の編成と監査、税収の管理、政府支出の調整など、財政の管理に関する業務を担当します。財務省が主導となり動くことが多く、専門職である「財務専門官」や「税務職員」などが代表的な職種になります。
- 6. 社会サービス
- 教育、保健、福祉、文化、環境、観光などの社会サービスを提供し、国民の生活の質を向上させるための政策を立案・実行します。文部科学省や厚生労働省、国土交通省などが連携し暮らしやすさを担っています。
- 7. 緊急対応と安全保障
- 災害、緊急事態、国の安全保障に関連する任務に従事し、国民の安全を確保します。地方公務員では警察や消防がこの役割を県・市などの自治体規模で行っています。国家の規模になると防衛省や国土交通省などが連携し保安活動に努めています。
いかがでしたでしょうか。
国家全体に影響の及ぶ大規模な業務にあたる為、より専門性が必要になることが分かったかと思います。その分責任とやりがいも大きく、身に付く知識とスキルは多岐にわたります。
試験の内容なども気になる方は次の記事も見てみてくださいね。
地方行政職
地方行政職とは、地方自治体(市町村、都道府県、地方政府など)で働く公務員を指します。
具体的な仕事は、地域によって異なる場合がありますが、一般的な業務として以下のような仕事が含まれます。
- 1. 地方政策の開発
- 地域社会の課題に対処し、地方自治体の政策やプログラムを開発、実施、評価します。住民のニーズを理解し、地域の発展や改善のために政策を策定します。目下課題とされているのは「人口減少」と「高齢化」です。東京を除くほぼすべての自治体で生じていると言っても過言ではないこれらの課題解決に向けて様々な政策を考案する必要があります。政策立案の全責任が地方公務員にあるわけではありませんが、自治体住民の意見を代表する議会と首長の議論が健全に行われるよう業務にあたる必要があります。
- 2. 行政業務
- 都市計画、建設許可、道路および公共施設の維持、環境保護、公共安全、健康管理など行政サービスの提供を行います。政策の立案後の実行部分を行政業務と呼んでいます。自治体の住民にとって必要不可欠な、その一方で利益創出が難しいような公共サービスを実際に提供する役割を担います。皆さんが普段何気なく利用している道路や公園、水道など、無料の公共サービスに関してもそれらを提供しているのは公務員なのです。老朽化に伴う道路の整備や保全など、専門的な技術が必要な業務は建築・土木・電気などの専門職員が対応する場合もあります。
- 3. 財政管理
- 自治体の予算編成、財政管理、税収の管理、予算執行などの財務業務に関与します。「人口減少」と「高齢化」により全国の地方自治体の財源は減少しています。少ない財源の中でどのように優先順位をたて地域住民の暮らしを守っていくか、またどのようにして財源を確保していくかは全国の自治体が必死に知恵を絞っている問題です。ふるさと納税や自治体の持つ観光資源をPRし活用するなど新たな取り組みも目立つ分野です。自治体間での連携の動きもみられていて、熊本地震により損壊を受けた陶器を石川県の輪島塗職人が新た陶器として修復・作成するなど様々な取り組みが行われています。
- 4. 緊急対応と公共安全
- 警察官、消防官などとして、地域の緊急事態に対応し、住民の安心・安全を確保します。有事の際に実行部隊となるのは警察官や消防官になりますが、地方行政職員も前段となる防災などに関しては連携してハザードマップの作成やその周知に従事することがあります。近年ではほぼ毎年全国各地で豪雨による被害が発生しており、被害の拡大を防ぐうえで防災の重要性は高まっています。
いかがでしたでしょうか。
これらの業務はどれも地域住民にとって必要不可欠なものですが、利益追求を行うと継続が難しくなるものもあり、「公務員」によって提供されているものになります。また、全国各地の自治体ごとに異なる状況であることから、全国画一的な取り組みではなく地域に密着した取り組みが必要なことも国家公務員とは違ったやりがいがあります。
地方行政職に就くためにどのような試験があるかなどについて知りたい方はこちらも読んでみてくださいね。
個別の無料相談会も実施しておりますのでお気軽にお問い合わせください。
警察官
各都道府県警や警視庁などで差はあるものの、代表的なものは以下です。
- 1. 地域課
- 地域の生活に密着し、市民の生活と安全を守る業務です。町の交番に駐在し「おまわりさん」としてイメージされる課になります。パトカーでのパトロールをはじめ、110番への対応や管内での事件、事故への対応活動を行っています。地域住民からのさまざまな相談に乗ることや、迷子の保護、遺失物・拾得物の届出の受理などを行うのも地域課であり最も地域に密着した課と言えます。
- 2. 刑事課
- 犯罪の捜査、取り調べ、逮捕など刑事事件を取り扱う課です。ドラマや映画などメディアに取り上げられることも多く人気がある一方、強盗や殺人、盗難、詐欺などの凶悪な事件に対応する必要があります。犯罪捜査の最前線で、地道な聞き込みや張り込みから危険を伴う逮捕まで地域住民を事件から守る役割を担っています。
- 3. 生活安全課
- 日々の防犯や少年非行、ストーカーや悪徳商法など市民の生活に直接影響するような身近な問題に取り組む課です。街角での補導や児童買春の取り締まりに加えて、それらの予防に繋がる取り組みを行っています。人口減少に伴い少年非行の検挙数自体は減少しているものの、スマートフォンの普及に伴う犯罪の複雑化に代表される犯罪の複雑化を受けその役割は年々重要になっています。
- 4. 交通課
- 交通事故防止や交通事故の処理、交通ルール違反の取り締まりなどを行う課です。「白バイ」をイメージされる方も多いのではないでしょうか。交通違反の取り締まりだけでなく、学校・保育園・幼稚園へ交通安全指導に行ったりするのも交通課の業務になります。高速道路を専門に事故防止・取り締まりを行う高速隊や、白バイに乗って取り締まりを行う白バイ隊(交通機動隊)など専門分野も存在しています。
- 5. 警備課
- イベントなど、大勢の人が訪れる場所で事件事故を未然に防ぐために活動する課です。テロやゲリラなどの対応にあたり、「最後の砦」ともいわれる保安の実行部隊になります。要人のボディガードを担当することもあり、厳しい訓練を受け「機動隊」として様々な暴動の鎮圧を行うことも業務に含まれます。
いかがでしたでしょうか。
消防官と共に公務員の中でも人気上位に位置する警察官。犯罪に対処する危険な業務も多い一方でその責任とやりがいは他の公務員の職種や民間企業と比較しても大きなものと言われています。
詳しい試験内容などについて知りたい方はこちらの記事も読んでみてくださいね。
大栄では個別の無料相談会も行っていますので進路や学習の相談からでもお気軽にお問合せくださいね。
消防官
各地方自治体や消防庁などで差はあるものの、代表的なものは以下です
- 1. 消火
- 火災が起こった際に、その消火業務にあたります。消防車に乗り、消化用のポンプを操る「ポンプ隊」と俗に呼ばれる業務です。救助や救急、予防の業務に将来的に配属される場合であっても、最初の数年間はポンプ隊として消火業務にあたることがほとんどです。
- 2. 救助
- 災害が生じた際、現場に取り残されてしまった被災者を救助する業務です。「レスキュー隊」とも呼ばれ、救助用の様々な専門器具の取り扱いを学び、厳しい救助訓練を乗り越えた精鋭部隊です。オレンジ色のレスキュー隊に憧れを持たれている方も多いのではないでしょうか。
- 3. 救急
- 傷病者や救助された方を病院まで搬送し、応急救護を行う業務です。救急車に搭乗しているのが救急の業務に携わる隊員になります。応急救護によって一命をとりとめるケースも多く存在する責任ある業務です。より専門的な知識や技術を元に救急活動を行うために「救急救命士」の資格を取得する隊員も存在します。自治体によっては救急救命士を確保するために救急救命士の資格を保有している方のみを対象とした試験を通常の消防士試験とは別枠で実施している自治体も存在しています。高齢化に伴い、特に夏場の熱中症により救急出動要請が頻発しており、これらの対応にあたる為採用を強化する自治体も見られています。
- 4. 予防
- 地方自治体の防災計画の立案や学校などへ出向いての防災教育を行う業務です。災害を未然に防ぎ、地域住民の防災意識を高める役割を担います。近年ではほぼ毎年全国各地で豪雨や地震などによる被害が発生しており、被害の拡大を防ぐうえでも予防の重要性は高まっています。また、空き家問題に代表されるような人口減少と高齢化によって発生している自然発火や放火事件、豪雪による倒壊など行政と連携して取り組む課題も増えてきています。
- 5. 通信
- 119番の通報に対して、素早く正確な情報を把握し、通報者を落ち着かせながら適切な指示を各所に出す司令塔の役割を果たします。業務の特殊性からいくつかの業務で経験を積んだ消防官が業務にあたることが多いと言われています。ポンプ隊やレスキュー隊、救急救命士のように消防士として一般人がイメージする職種とは異なるかもしれませんが、有事の際にはリーダーとしての役割を担い、被害を最小限にとどめる為尽力する業務です。
いかがでしたでしょうか。
「人を助ける仕事」の代表ともいえる消防官ですが、詳しく見てみることで新たな発見もあったのではないでしょうか。
消防官になる為の試験内容について気になる方はこちらの記事も読んでみてくださいね。
大栄では個別の無料相談会も行っていますので進路や学習の相談からでもお気軽に落ち合わせ下さいね。